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 2009年6月、ベトナムの電話加入数が1億件を超えたと発表がありました(ベトナム情報通信省データに因る)。このうち約8200万件が携帯電話であると言われており、人口比からすると既に90%以上の普及率であることがわかります。この数値は、周辺の東南アジア諸国と比較しても高く、また、日本のPHSと携帯電話を合わせた普及率、88.5%(2009年6月総務省データに因る)をも上回っています。ベトナムの携帯電話加入件数は、2006年末時点では500万件程度でしかなく、ここ数年で急激に増加しました。背景には、固定電話の普及率が低いことや、若年層の占める割合が人口比に対して高く、携帯電話が、彼らの生活に不可欠なコミュニケーションツールであることが挙げられます。また、携帯電話会社各社の通話料割引や無料通話サービスなど、ユーザー獲得のための競争激化がこれらに拍車をかけていることも理由の一つです。
 このような過熱状態にある市場に、今夏「Beeline」という名前でロシアのビンペルコム(Vimpel Com)と合弁のGテルモバイル(GtelMobile)が参入してきたのは記憶に新しいと思いますが、これに続き、インドシナテレコム(IndochinaTelecom)が新たに携帯電話サービスを認可されました。現在ベトナムの携帯電話サービス会社は、ビナフォン(Vinaphone)・モビフォン(Mobifone)・Sフォン(S-Fone)・ベトテル(Viettel)・ベトナモバイル(Vietonamobile=旧HTモバイル)・EVNテレコム(EVN Telecom)・Gテルモバイル(Gtel Mobile)の合計7社。すでに世界標準並みに低価格になったベトナムの携帯電話ですが、新規参入により、今後も値下げは当分の間続くと思われます。

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■プリペイド(前払い)とポストペイド(後払い)
ベトナムには、電話料金支払いシステムが大きく分けて2通りあります。通話料分のカードを買って、スクラッチ部分に書かれた番号を登録すればだれでも利用できるプリペイドに対し、ポストペイドは、1ケ月分の通話料をまとめて翌月に支払い、電話会社と契約が必要。契約の際には現地の会社の雇用証明などが必要になり、登録料や月額使用料がかかります(一部不要)。各社ともプリペイドに比べポストペイドの通話料を安く設定していますが、手軽に利用できるプリペイドカードを中心に様々な割引・無料サービスキャンペーンが頻発した結果、ポストペイドのシェアは年々減っています。ビジネスで利用する人、電話をかける回数が多い人には、ビジネス割引が充実し、安定的に通話料の安いポストペイドが、安定的に通話料の安いポストペイドが、また、電話はもっぱら受け専門という人には初期費用他がかからないプリペイドが向いています。
 また、プリペイドには使用期限が定められ(一部無期限)、短期滞在の場合は期間が短く価格が安いものが便利です。


ビナフォン(Vinaphone)
VNPTのネットワークが強み
○1995年設立・VNPT(VietnamPostandTelecom Corporation)のグループ会社。国内最大手の一つモビフォンと同系列。ベトナム全エリアをカバー。2009年10月12日にベトナム初の3Gサービスを開始。通話料は基本、最初の6秒+1秒いくらで計算。ポストペイドは、登録料9.9万に月額使用料4.9万ドン他通話料が必要。ビナフォン同士のコール98/6秒+16.33/1秒ドン。他社のコール108+18.18ドン。モビフォンへのSMSは100または290(ピーク)ドン。他社へのSMSは250または350(ピーク)ドン。他にファミリープラン有り。プリペイドカードの代表はVinacard:ビナフォン同士のコール69+11.5(オフピーク)ドン、他社へのコール158+26.33ドンの他にVinadaily:1480ドン/日+格安通話料他、SMSが安いVinatext他数種有り。詳細はwww.vinaphone.com.vn


モビフォン(Mobifone)
Viettelと並ぶ最大手 VNPTグループ
○1993年設立。VNPT(VietnamPostandTelecom Corporation)のグループ会社。サービスが多種多様。ポストペイド:Mobigold:登録料と月額使用料他通話料はVinaphoneと同じ。これに加えて、モビフォン同士の場合、ビジネス通話が493ドン/分+15SMSフリー、家族と友人限定でコール・SMSがそれぞれ50%、20%オフのサービスも。プリペイドはMobicard:モビフォンコール138/6秒+23/1秒ドン、他社コール158+26.33ドン。他にも各種カード有り。詳細はwww.mobifone.com.vn


Sフォン(S-Fone)
顧客獲得に伸び悩む韓国系会社
○2003年設立。韓国のSLD Co(SK Telecom・LG Electronics・Dong Ah Telecomが出資)とSPT(Saigon Postel)との提携。ベトナムで初めてCDMA方式を導入し、3Gサービスで期待されたが、インフラ整備が遅れ大手との競争で後れを取っている。詳細はwww.sfone.com.vn


ベトテル(Viettel)
安さと若者向けサービスでMobifoneとシェアNo1を奪い合う
○1997年設立。ベトナム国防省傘下。ポストペイド:登録料無料。月額使用料5万ドン。ベトテル同士のコール990ドン/分、他社コール1090ドン/分。ビジネス・ファミリー限定495ドン/分のプラン有り。VIP:登録料:11.9万、月額使用料25万ドン。ベトテル同士のコール890ドン/分、国内電話200分無料サービス付き。その他各種プラン有り。プリペイド:Happyzoneパッケージ:都市部と一定の地域に限定された格安プラン。ベトテル同士のコールが990ドン/分他、Highschoolパッケージ、Studentパッケージ、Father&Sun、Touristといったユニークなプランを各種用意。詳細はwww.viettel.com.vn


ベトナモバイル(Vietnamobile)
香港系 2009年にHTモバイルから名称変更
○旧HTmobile。香港のHuchisonとHanoi Telecomの合弁。2003年に設立されるが、2009年に名称変更。CDMA方式からGMS方式へと変わる。自社コールと他社コールが同じ料金。詳細はwww.htmobile.com.vn


EVNテレコム(EVN Telecom)

固定電話が主流
○1995年設立。Vietnam Electoronic Group。固定電話に力を入れている。詳細はwww.enet.vn

 

Gテルモバイル(Gtel Mobile)

新規参入 格安料金で一気にシェア拡大を図る
○ビーライン(Beeline)。ロシアVimpelComとの合弁。2009年設立。都市部を中心としたサービスで、現在はベトナム全エリアをカバーしていない。「BigZero」の大規模なキャンペーンで一躍有名に。プリペイド:最初の1分1199ドン。2分目からは無料。他社コールは1199ドン/分。自社SMS:250VND、他社SMSは350ドン。無料通話は最大20分まで。12月15日までに契約すると34万5000ドン分の無料通話がサービス。詳細はen.beeline.vn


 ベトナムの携帯電話料金はすでに世界標準並みに安くなってきたと述べましたが、携帯電話からかける国際電話もここ数年で大幅に下がり、ベトナムの携帯ユーザーは、数だけでなく質も大きく様変わりしたと言えます。各社の料金を比較すると、国際電話コールは、ビナフォンのIDD1714パッケージが30日有効で制限なし23万4000ドンと安いのですが、対象国に日本が含まれていません。米国・香港・韓国・中国・シンガポール他ヨーロッパ方面が対象国となりますのでこれらの国へ集中的に電話をかける場合はかなりお得だと言えましょう。その他の料金は、ビナフォン3600ドン/秒(ポストペイド)~、モビフォン3600ドン/秒(ポストペイド)~、ベトテル3600ドン/秒(ポストペイド・プリペイド)、Gテルモバイル3600ドン/秒(プリペイド)等です。料金面では、高い満足度が得られた調査でしたが、サービス面においては、電話がつながりにくい、メールを送ったのに届かない、音声が悪いなど依然として問題残る結果となりました。急速に拡大する携帯市場に、インフラの整備が追いつかないのが現状であると言えます。
 そして、この10月12日、他社に先駆けてビナフォンが3Gサービス(第3世代移動通信システム)を開始しました。ビナフォンはモバイルインターネット、モバイルブロードバンド、ビデオコール、モバイルカメラ、モバイルTV、3Gポータルの6つの新サービスを開始する予定。13の省と都市部をカバーし2010年には全国で使用が可能になるとのこと。これに続いて、ベトテル、モビフォンも今年12月から3Gサービスを開始すると発表しました。インフラ整備に疑問を残したまま、ベトナムの携帯産業は次のステージへ進んだようです。

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